おはなしの森

日々を過ごし感じること、思い浮かぶこと。世界はたくさんの物語で溢れている。

生きる上で必要なこと

 

 物語が好きで

 

想像するのが好きで

 

表現することが好き

 

 

こんなだったら、あんな風なら

もしも、例えば、

 

考えれば考える程世界は広がっていって

終わる事の無いその世界に夢中になれる

 

 

もし私が書くことをやめたら

考えることを、表現することをやめてしまったら

何が起きるのか

 

 

答えは簡単

誰にでもわかる

 

 

特に何も起きない

 

朝起きて、働いて、たまに遊んで、夜眠る

 

何の変哲もない普通の日々を過ごしていくだけだ

 

私の人生に於いて

想像すること、書くこと、表現することは必要不可欠ではない

 

けれど、それがない世界はなんと味気ないものだろうか

 

書かなくても、想像しなくても生きてはいけるけれど

私はきっと何に対しても無感動になってしまうだろう

 

心を揺さぶる、体の奥底から湧き上がるあの衝動も

何も湧き上がっては来なくなるのだ

 

ただただ、流されて漂って

そうしているうちに、いつの間にか終わっている

 

そんな人生になってしまうのだろう

 

それが悪い事だとは思わないけれど

やはり物足りないな、味気ないなと思ってしまう

 

せっかくの人生だ

いつ終わるかも分からない

1回きりかもしれないし、そうじゃないかもしれない

 

私には想像つかないくらいの奇跡が起きて

今、この場所に  この世界に  私はいる

 

どうせなら楽しい毎日を

彩り鮮やかな日々を

幸せで満ち足りた、愛に溢れる生活を

 

 

 

そうして私は今日も生きていくのです

 


f:id:yomiko-ohanashi:20210521090625j:image

 

 

無理な事なんてきっとない

 

目をつぶって考えてみる。

 

そこは誰もが満たされている世界。

小さな愚痴や不満はあれど、基本的に満たされた生活をしている。

 

みんなが生き生きと活動し、たまに俯いて動けなくなってしまった人がいても周りからはたくさんの手がさしのべられる。

 

誰にだって気分の浮き沈みはある。

けれどどれだけ落ち込んでも、支えて引っ張りあげてくれる手がたくさんある。

 

そんな幸せな世界。

そんなあたたかい世界。

涙がでるほど求めている世界。

 

 

「みんな幸せな世界になればいいのに。」

 

そう言うと、大体の人が答える。

 

「そんなの無理だ」と。

 

そうかな?そうなのかな。本当に?

 

幸せなんて人それぞれで、幸せだと感じる基準なんてみんなが違う。

だからこそ、上手く噛み合えばみんな幸せな世界ができるんじゃないかってそう思うの。

 

人間は心と思考を持って生まれた。

 

他者を思いやり慈しむ心を持ってる。

誰かの考えに共感し、高め合う思考力を持っている。

 

私たちは理想を現実に近づける力を持っている。

 

川が近くになくてもおいしい水が飲めるようになったように。

遠く離れていても大切なあの人と会話ができるようになったように。

途方もなく遠いあのお月様に降り立つことができたように。

 

きっときっと、みんなが幸せな世界を作ることは無理なことなんかじゃない。

 

今までだってやってきてる。

ずっとずっと、人間はそうやってきた。

 

無理だと思える絵空事を、現実に実現して見せてきた。

 

だから私は今日も言うの。

いつかそれが実現することを信じて。

 

「みんなが幸せな世界になればいいのに」と。

 


f:id:yomiko-ohanashi:20210505160603j:image

 

 

 

 

 

奇跡のような私たち

 

 

時折ふと、自分の見ているものが何なのかわからなくなる時がある

 

自分の見聞きしているものはどれくらいが真実なのか

当たり前のようにみんながソレを見ているものだと思い込んでいるけれど果たしてそれが本当に同じものなのか

 

今、私の見ている「赤」はみんなにとっても正しく「赤」で

けれど私の「赤」とみんなの「赤」は同じなのだろうか?

 

夏は暑くて、冬は寒い

怪我をすれば痛いし、愛する人とハグをするのは安心する

 

けれど、その感覚は本当にみんな同じように感じるのだろうか?

 

ソレを表す名前が一緒でも実際は全然違ったりするのではないだろうか?

 

それはきっと答えなんてない。

誰にも証明はできないし、どう頑張ろうと分かりえない事だ。

 

分からない事だから、私は考えてしまう。

 

自分はこうだけど、他の人はどうなんだろう。

あの人はああ言ってたけど、私は嫌だな。

 

絶対に、全てを分かりえる訳では無いけれど

それでも考えると分かることがある

広がるものがある。

 

人は孤独だ

誰もが独りで、そこに立ってる

矛盾を抱えて、共感を求めて、愛を求めてる

 

だから、考えて考えて考える。

理解して、共感して、愛し合える。

 

私たちは誰一人として同じものはいないし

誰もが唯一で絶対の存在だけれど

 

他者を思いやり、慈しみ、愛することができる

 

不完全だから完璧

 

人間がどうやって生まれたのかは諸説があるけれど

 

神様が作ってくださったにしろ

進化してそうなったにしろ

宇宙からきたにしろ

 

こんな不思議でおかしな存在が生まれたのは

 

奇跡的で神秘的な事だなと思うのです

 

 


f:id:yomiko-ohanashi:20210422154357j:image

 

 

いい日が始まる

 

大きく深呼吸をして

両手を広げ思いっきり上へ伸ばした

 

見上げた空は高く高く

どこまでも青い空が広がっている

 

視界の端では

青々とした木々が風に揺られ踊っている

 

目を閉じれば   ザァー  っと風の駆け回る音

どこかで  チリン  と鈴がなり

どこからともなく 楽しそうに笑う声が耳へと届く

 

大きく息を吸い込むと、

暖かな太陽の光と爽やかな風と楽しげな雰囲気が

体の内を循環していく

 

深く息をついて、それらを己に馴染ませて

ゆっくりと目を開けば

 

そこに広がるのはキラキラとした景色

 

漏れる笑い声をそのままに、私は1歩足を踏み出す

 

「うん。今日もいい1日になりそう」

 


f:id:yomiko-ohanashi:20210419080358j:image


 

 

 

【短編】その場所はあなただけのもの


真っ白いその空間に彼女は1人たっている。
地面は薄く水で覆われていて、時折ピチョンッと跳ねる音がしていた。

「・・・・・・。」

彼女は、ぼぅっと足元を見つめている。
自分の足裏に微かな水の揺らめきを感じながら、己の足元を見つめている。


「やぁ!酷い顔だね。」


突如響いたその声に、彼女はゆっくりと顔を上げる。
いつの間にか、ほんの数メートル先に女がいた。

「ここに誰かがいるなんて初めてで観察してたんだけど、君さっきから1歩も動いてないよね?もしかして死んでるのかい?」

やけに馴れ馴れしく女は彼女へと語りかけそして近寄ってくる。
しかし彼女には女の言葉よりもそれの足元の方が気にかかった。

「あなた、浮いてるの?」

言いながら彼女はその場で足を持ち上げて下ろしてみる。

パシャリ。


音と共に水が跳ね上がり、彼女を中心に波紋が広がっていく。
彼女はそれを確認して、もう一度女へと視線を向ける。

「あぁ、もしかしてなにか見えてる?」

そう言いながら女は足踏をしているが、やはり彼女の足元では水が跳ねたり、波紋が起きることは無かった。

「浮いてはいないさ、私はこれでもしっかりと地に足をつけて生きてる。この土の上にしっかりとね。」

そう言って足を踏み下ろすその先にあるのは白い床に薄く張られた水だけで土の一欠片だって見当たらない。

「なるほど。変な人。」

そう彼女は結論づけた。
それを聞いた女は心外だと言わんばかりに頬を膨らませる。

「あのねぇ、私を変って言うなら君も変なんだからな!っていうか、君にはなにが見えてるの?」

ドンドンと怒ったように足を振り下ろす女に彼女は答える。

「・・・水が。」

「みず?」

「えぇ、水。白い床一面に水が張ってるの。」

彼女の言葉に女は辺りを見回して、そして顎に手を当て「なるほど。」と呟いた。


「ちなみに私はここに茶色い地面がある様に見えるよ。
ほんでそっちには緑色の芝生が生えてるし、あっちには黄色い花がたくさん咲いてる。
見上げれば綺麗な青空がバアーーーっと広がってるんだ。」

女はそっちあっちと指をさしながら説明し最後に両手を広げ満面の笑みで誇らしそうにそう語る。

しかし、彼女の目に映るものは白。白。どこまでも白だけだった。

「・・・良いなぁ。」

ポロリと彼女から言葉が漏れた。
すると女はキョトンと首を傾げる。

「なんで?」

「私の空間には何も無いもの。たくさんの白と、足元の水だけ。」

彼女は視線を足元に移し、ゆっくりと足先で水をかき混ぜた。
ゆらゆらと、彼女の動きに合わせて水面が揺れる。


「真っ白な空間で、君が動くとそこに波紋が広がっていくんだ。」

女の言葉に、彼女は弾かれたように顔を上げた。

「みえたの?」

しかし、女はニヤリと笑い

「いいや。見えないね。だってそこは君の世界だろう?」

と言った。
女はスキップするように彼女の周りをぐるりと回る。

「けれど、想像することはできるよ。
君が踊れば足元では水しぶきが上がり波紋が広がる。どこまでもどこまでも。
白いその空間に広がっていくんだ。」

女の言葉に促されるように、彼女はパシャリと音を立てた。
足元から産まれた波紋が白い空間に広がっていく。
どこまでも。
どこまでも。

「ね?幻想的でとても美しい世界だ。」

彼女は大きく目を見開く。
ここを美しいなんて今まで1度だって思ったことは無い。
けれど今、目の前に広がるその光景は息を止めるほど美しい。

「私たちが見てるのは自分の世界だよ。
見えているのは自分だけ。
でも、見えてるのが自分だけだからこそ


その世界の価値を決めるのは自分だけだ。」


女の言葉が胸に強く強く染み渡る。
波紋が広がるように彼女の中に、どこまでも、どこまでも。

 

 


どれくらいそうしていたのだろう。
ハッと気がつくと、そこには誰もいない。

いつも通り見渡す限り白に包まれている。
自分の呼吸が聞こえるほどに静かで、あの不思議な女は幻だったのかと思うほどに静寂だ。

 

彼女は1人そこにたっていた。
どこまでも白いその空間に彼女はいる。

ふと、彼女の中に染み渡った女の声が彼女の中から聞こえてくる。


パシャリ。


パシャリ。


ひとつ、ふたつと足を踏み出して、「ふふっ」と笑みがこぼれた。


パシャパシャパシャリ。


幻想的で美しいその空間で、彼女は楽しそうに笑いながら


波紋と共に舞っている。


いつまでも。いつまでも。

 

 

 

 

 

 

私よ心に刻め。しっかりと

 

 

私は人見知りだ

加えて、極度の面倒くさがりでもある

 

人と足並みを合わせるのが嫌だって訳では無いけれど、疲れるなと思ってしまうし

 

集団行動も楽しくて好きではあるけれど、人数が増えれば増えるほど気を使うことが増えて面倒だなと思う

 

問題事が起きた時も、誰かに相談するより先に自分で何とかする方が早いと自己完結することが多い

 

人間は矛盾を抱えて生きるものだけれど、私の中の1番の矛盾点はそこだろう

 

人が好きで、人と関わる事を幸せに感じながら

そういう事は面倒くさくて疲れるから極力したくないと思う

 

 

けれど、私の生きる原動力は他者と関わる事にある。

 

両親と会っておしゃべりをした後は、決まって調子がいいし

 

兄弟と討論会をすれば、己の未熟さに気がついてやる気が出るし

 

友達と楽しく話したあとは、何事にも前向きにチャレンジできる。

 

先輩たちや上司の話を聞けば、自分の世界や価値観が広がり物事をもう一度見直してみたりする

 

私の人生の分岐点にはいつも誰かがいる。

私の幸せの中にはいつもみんながいる。

 

私の道を決めるのは私で

私の人生は私だけのものだけれど

 

その私の人生を支えて、見守ってくれる人達が

世界には溢れていることを

 

私は決して忘れてはいけない

 

 

そう、思う今日この頃です

 


f:id:yomiko-ohanashi:20210412103844j:image

その先には

 

「もーーーいーーかーーい?」

 

高くそびえる杉林の中。幼い声が辺りに反響している。

 

「まーーーだーだよーーー!」

 

杉林を分断するようにまっすぐひかれた砂利道が

ジャッ。ジャッ。ジャッ。

と軽い音を立てている。

 

「もーーいーーかーーーーい?」

 

砂利道の両脇には等間隔で石の灯篭が設置されていて、どこか厳かな雰囲気が漂っている。

 

「まーーだーーだよーーーーー!!」

 

長い間そこにあるのか、医師の灯篭には緑色の苔がそこかしこに生えていて彩りを与えている。

 

「もーーいーーーかぁーーい?」

 

先が見えないほど長い長いその道の先は、一体どこに続いているのだろう?

 

「まぁーーだーーだよーーー!!」

 

 

静かな静かなその場所に、楽しそうな幼い声と砂利の軽い音だけが響いていた。

 


f:id:yomiko-ohanashi:20210330103117j:image