ガシャン。ガシャン。ガシャン。
断続的に響く機械の音をBGMに黙々と手元の商品にシールを貼っていく。
ペタペタ。ペタリ。
繰り返し繰り返し、黙々と同じ作業をくりかえしながらぼんやりと考えてみる。
私の目の前を過ぎ去っていくこの商品は、
どこの 誰に どんな風に 届くのだろうか。
息子にプレゼントするために、仕事量を増やして頑張るお父さんのもとだろうか?
可愛いあの子に心からの驚きと笑顔を届けようとしている青年のところかも。
少しでもみんなの助けになるようにと、動き回っている頑張り屋のお姉さんのもとか。
派遣でやってきて、なんの知識もなく働いて。
でもだからこそ、思考は止まらず動き出す。
こうだったら、ああなるかも、だとしたら。
広がる想像に心躍らせ、丁寧にシールを貼っていく。
それが本当にそうなのかは関係ない。
決して高い給料ではないけれど
そうなる可能性が少しでもあるのなら
誰かの素敵なほんの一部に関われている事
それをとてもとても、嬉しく感じるのです。