おはなしの森

日々を過ごし感じること、思い浮かぶこと。世界はたくさんの物語で溢れている。

やる気は出そうと動くエネルギーが1番、大変

 

自室の天井を見上げ小さく口を開く

 

「あー。」

 

自分いがい誰もいない空間に小さく響く声。

 

窓の外からは車の音や人々のくぐもった話し声が通り過ぎる。

 

(あれ、やらなきゃ。・・・そういえば、他にも・・・)

 

頭の中では自分のやらなきゃいけない事が

 

浮かんでは消え

 

浮かんでは消えていく。

 

あれしよう、こうやってしよう、さあ起きようと

 

動いているのは頭だけで、それはちっとも体へと行き渡らない。

 

原因はわかっている。

分かりすぎるほどにわかっている。

 

しかし、どうしようもない。

 

何時もなら予定でうまっている筈の真っ白な予定帳を思い出す。

そう。アレだ。

 

唐突になくなってしまった予定。

 

しょうがない。しょうがない。と呟きながらゴシゴシと消した。

 

予定帳から色が消えていくのを眺めながら、自分の中からも何かが消えていったのを感じた。

 

そして現在、

 

私はボーッと天井を眺めている。

 

やる事はある。やるべき事も。

頭ではわかっているけれど何故だか体はちっとも起き上がらない。

 

このままではいけない。

このままでは。

何とかしなくちゃ。

 

 

日が落ち始めて、焦るように思考が同じ事を繰り返し繰り返し唱えはじめる。

 

しばらくそんな風に唱えていて、やっと体を起こした時部屋の中は真っ暗で窓の外は静かになっていた。

 

「あぁ、今日もまた 一日が終わってしまった。」



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