目を開ける。
外はまだ暗い。
重たい体を起こして身支度をして、暖かいお茶漬けを食べてホッと一息。
残ったお湯で水筒にお茶を注ぎおにぎりと一緒にカバンへしまう。
上着にマフラー、マスクに手袋。
防寒対策をしっかりとして「よしっ!」とひとつ気合いを入れた。
その勢いのままに玄関を通り抜けると肌に冷たい空気が突き刺さる。
空は少し明るくなり始めている。
昼間とは違う静かで人気の少ない道を歩いていく。
お店はまだ軒並みシャッターが下りていた。
開いているのはコンビニくらいだ。
昼間の喧騒は全くなくて、見慣れた道をなんだか不思議な気持ちで進んでいく。
何時もとは違う様子の街並みをスキップしたくなるような心地で、新しい街の観光に来たようなワクワク感が湧き上がり自然と笑顔が溢れた。
早起きはあまり得意では無いけれど、こんな気分になれるのなら悪くない。
素敵な1日の始まりに、期待を込めて
いつもより空いている電車に乗り込んだ。