おはなしの森

日々を過ごし感じること、思い浮かぶこと。世界はたくさんの物語で溢れている。

希う

 

 

優しい人でありたい

 

困っている人に手をさしのべられるような

苦しんでいる人に寄り添ってあげられるような

他者を思いやり、尊重できるような

 

人は誰しも特別なものだと

そんな当然のことを当たり前のように振る舞える

 

そんな、いい人でありたいと願っている

 

けれど実際は

 

自分のことで精一杯で、

誰より何より自分が一番可愛くて大事で

 

カッと込み上げた怒りをコントロール出来ずに

他者を傷つけ貶める

 

その後、我に返って自己嫌悪して傷ついて泣いて

やっぱり自分を可愛がりたいだけのやな奴だって

自分自身に刃を突き立てる

 

「優しさ」は誰もが持っていて魂にそれは根強く居座っているのに

それを行使する事は恐ろしい程に難しい。

 

誰かに「優しく」なるには、まず己が満たされて余裕がなければ出来ないからだ

 

そうして、己に余裕を持つことはとてつもなく難しい

 

そっと見下ろした両手は自分を支えられるのかも怪しいくらい小さくて

 

それでも声が響いている

 

悲しくて、苦しくて、悲痛な 叫び声が

 

辺り一面に響いているのだ

 

助けたい  何とかしたい  支えてあげたい

 

気持ちばかりが先行しているだけで、みんなみんな指の間からすり抜けていってしまう

 

それでも私は手を伸ばす

少しでも、ほんのひとかすりだけでも

 

余裕がなくて「優しく」するのが下手くそな私でも

 

どうか、どうか

 

 

世界がしあわせになりますように

 


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