「もーーーいーーかーーい?」
高くそびえる杉林の中。幼い声が辺りに反響している。
「まーーーだーだよーーー!」
杉林を分断するようにまっすぐひかれた砂利道が
ジャッ。ジャッ。ジャッ。
と軽い音を立てている。
「もーーいーーかーーーーい?」
砂利道の両脇には等間隔で石の灯篭が設置されていて、どこか厳かな雰囲気が漂っている。
「まーーだーーだよーーーーー!!」
長い間そこにあるのか、医師の灯篭には緑色の苔がそこかしこに生えていて彩りを与えている。
「もーーいーーーかぁーーい?」
先が見えないほど長い長いその道の先は、一体どこに続いているのだろう?
「まぁーーだーーだよーーー!!」
静かな静かなその場所に、楽しそうな幼い声と砂利の軽い音だけが響いていた。