瞼をゆっくりと持ち上げる
視界に入ってきたのはぼんやりとした世界。
薄暗く、ゆらゆらと光が揺れている。
とっとっとっ
様々な音が聞こえる中で一際大きく聞こえている一定のリズムで刻まれた音にとてつもない安心感を覚えてゆっくりと瞬きをした。
ときおり遠くの方から届く、くぐもった心地よい振動がくすぐったくて、幸せで手足をパタパタと動かしてみる。
振動が一段と大きくなって、心地よい振動にゆっくりと瞼が閉じてゆく。
「はやく、会いたいわ。私の赤ちゃん。」
意識が落ちていく寸前、優しく暖かい振動が私を包み込んだ気がした。