いい子のところにはサンタさんがやってくる。
チラチラとお空から雪が訪れる頃、シャンシャンと軽やかな鈴の音と共に。
お友達のトナカイと一緒に凍てつく寒い夜に暖かなロウソクの火のようなお洋服をまとってみんなの元にやってくる。
すやすやと寝静まる子供たちの枕元へ。
特別で大切な宝物を届けに。
いつからだろう。
サンタさんを待たなくなったのは。
朝起きて枕元を確認しなくなったのは。
サンタさんはいい子のところに来る訳じゃないと気がついたのは。
1つ歳を重ねて
新しい事を経験して
見て、聴いて、感じて、そして成長していく。
成長して見えてくる今まで隠れていた事。
いい事も、悪い事も。
嫌な事も、嬉しいことも。
たくさんたくさん経験して、そうして気がつく。
サンタさんは別にいい子のところに来ているわけじゃない。
サンタさんは愛されている子のところにやってくる。
あの時貰った宝物。
1年に1回、枕元へ置かれていった宝物。
たくさんたくさん詰め込められた愛の贈り物。
目に見えないものがぎっしりと詰まっていた。
私の大切な宝物。
体の中の大きな袋の中に沢山詰められた宝物。
今度は私が
あなたに届ける番。
とびきりの想いを込めて、愛しいあなたへ
「Merry Christmas」
暖かいクリスマスにいつかあなたも気がつく時が来るのだろうか。